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バンコクのインター校編入に関してよくある質問

質問1:平均的な学力しかないのですが、中学3年生でインター校編入を考えています。
質問2:バンコクには、平均的な学力の中学生や高校生でも受け入れてくれるインター校があると聞きました。
質問3:他の家庭教師を紹介してもらった場合に、紹介料や仲介料がかかるのですか。
質問4:ハイスクールでは、生徒の学力レベルによって、いくつかのクラスに分かれると聞きました。
質問5:abcから始めて、2~3年間で上級レベルに到達する、語学のエリート教育とは。
質問6:日本人学校からインター校編入で気をつけること。
質問7:中2の子供を地元の高校に進学させるか、バンコクのインター校に編入させるか悩んでいます。
質問8:バンコクでの滞在期間が1~2年残っているので、インター校編入を考えています。
質問9:希望するインター校に入れません。どうしたらよいですか。
質問10:インター校訪問の際に同行を希望される依頼ついて。
質問11:大まかなインター校のレベルについて。

質問1への回答

2012年以降、急激に日本人のインター生が増えました。年少や小学生の低学年に集中しているのですが、小学生高学年、中学生、高校生の日本人インター生もかなり多くなりました。

一昔前であれば、バンコクの駐在員も、大企業に勤務するエリートと呼ばれる方々しかおられず、その中でごく一部のご家庭の子供たちがインター校に通っていました。中2の学年でインター生専門の家庭教師を雇って、一年後の中3の学年で、志望するインター校のサマースクールに行かせて、そのまま編入させるのが一般的でした。

当時の日本人インター生は、よい意味でエリートとしての自覚を持っていたので、しっかり勉強する生徒がほとんどでした。一年間ほど編入のための英語の勉強期間を設けて、英検の2級を取得させて、インター校編入に備えました。ハイスクールの授業についていけるように、編入後も単語を大量に暗記させました。

しかし、時代は変わり、現在では、英語が話せない駐在員も多くなりました。メーカーのタイ進出に伴った、下請け企業のタイ進出が多くなり、平均的な日本人の家族がバンコクでも多くなり、彼らも自分の子供たちをインター校に行かせることを考えるようになりました。

その考え方自体は、悪くないことだと思うのですが、企業の学費補助がないような家庭も多くなり、比較的に学費の安いインター校に、日本人の子供たちが散らばっていきました。その結果、語学力の低い日本人インター生の問題が、目立つようになってきました。

コロナ後の2023年9月現在、ロシアのウクライナ侵略で欧米人の生徒が急激に減りました。一定の語学力レベルに達しない(日本人の)生徒も、受け入れるインター校が増えています。新設の学校を含め定員割れのインター校が目立ち始め、タイ人の割合がすべての学校で大幅に増えています。

ハイスクールに編入するには、英検の準1級を超える語学力が求められます。ぎりぎりでついていくにも2級程度の力が求められます。これらの理由で、現在では、日本人学校の平均的な学生が、中3でインター校編入を考える場合、そのまま日本人学校で学ぶことをすすめています。

平均的な学力しか持たない、つまり、インター生に比べると語学力の低い、日本人学校で学ぶ生徒たちは、高校進学の際に帰国して地元の学校に通い、日本語でしっかり勉強してくれればよいと思います。これはインター生を教える家庭教師の本音です。

しかしながら、バンコクの赴任期間が延び、中学3年の在校生、または、中学を卒後するお子さんを抱えるご家庭の場合、誰でも入れるレベルのインター校に編入して、ひたすら大学受験に向けて勉強する方法もあります。

詳しくは、質問11の回答の中に述べておきました。参考にしてください。

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質問2への回答

まともなインター校のハイスクールへの入学時、つまり、中学3年で編入する時に、インター校で使用される物理や世界史のテキストも、あたり前ですが、英語で書かれており、最低限英検準1級の語学力がないと、まず、テキストを読むことができません。

インター校での授業では、テキストを読んで理解して、提起される問題、エッセイ、レポートに対応しなくてはなりません。2級程度の語学力がない学生が、授業中にどのようなことになるでしょうか。

抱えきれない精神的な負担を、学生たちに負わせることは、すすめられません。バンコクの日本人学校は、日本国内の平均的な公立の中学校よりも、若干学力レベルが高く、多くの学生が学んでいます。

少なくない日本人の学生が、インター校編入に失敗しているのですが、この事実に耳を傾ける人が多くありません。生徒本人の学力や性格を熟慮して、何よりも、本人がインター校で学ぶ強い意志があるかどうか確かめて、間違いのない選択をしてください。

しかしながら、バンコクには、誰でも入れるインター校は存在します。インター生を教える学習塾の関係者であれば、誰でも知っていることです。それらのインター校に連絡されて、日本人の担当者と相談されるのがよいと思います。

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質問3への回答

授業料はそれぞれの家庭教師本人の裁量次第だと思いますが、知人の家庭教師を紹介した場合に、紹介料や仲介料は、一切いただいていません。ご紹介した家庭教師の方々と、直接お話をしてもらっています。個人的に信用できる方々を選んでいます。

渋滞がひどい地域へのご依頼の場合、交通費を別途いただくことがあります。渋滞が過度にひどい地域や乗り入れの危ない地域へのご依頼は、お断りすることもあります。代わりに、バイクや徒歩で通われる、他の家庭教師の方を紹介することになります。

一時間半の授業の場合は、一時間当たりの授業料の1.5倍の金額になります。ご兄弟姉妹を一緒に教える場合は、お二人目を半額としています。原則として、二人教えて、一人分の授業料では、受けません。授業に慣れてきた生徒は、週二回から週一回に減らします。

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質問4への回答

例えば、ハイスクールの数学の授業では、同学年内で、Advanced, standard, Core、つまり、発展、標準、基礎の三つのレベルのクラスに分けられます。

平均を少し下回る日本人の生徒でStandard、平均を少し上回る生徒や数学の得意な生徒は、Advancedのクラスで学ぶことになります。セカンダリースクールの数学は、計算機の使用が授業の中で認められており、日本人には簡単に感じられると思います。

このクラスのレベル分けは、EnglishやScienceにも同様に言えることです。比較的に大きなインター校のハイスクールでは、一般的なクラス分けです。

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質問5への回答

NISTなどの名門校で学ぶインター生を対象とする場合:

語彙の習得のための単語の暗記、作文力、表現力の向上を目的とした文法の学習で、小学4年の学年で英検の2級の取得、小学6年の学年で英検の準1級、中学2年の学年で英検の1級を超えるレベルとします。

一般的な進学校、主に IGCSE + IB のカリキュラムのインター校で学ぶインター生を対象とする場合:

語彙の習得のための単語の暗記、作文力、表現力の向上を目的とした文法の学習で、小学5年の学年で英検の2級の取得、中学1年の学年で英検の準1級、中学3年の学年で英検の1級を超えるレベルとします。10年前と比べても、高度な語学力が求められる年齢が、若くなってきています。

インター生のためのエリート教育:

具体的な勉強方法は、インター生のための勉強方法誰でもできる単語の暗記法インター生のためのテキストなどを参考にしてください。ぼくの生徒の場合、単語の暗記を30-50分ほど、文法の学習を30-40分ほど毎日の日課として続けています。

abcから習い始めて、2~3年後には準1級から1級の語学力を超えてきます。学年や語学センスによる、生徒間の語学力の差は、顕著になりますが、インター校の生活になじめているなら、準1級程度の語学力は、ほとんど問題なく到達します。

バンコクの平均的なインター生を対象としても、中学1~2年の学年で、準1級の語学力レベルは、当たり前のことで、特別なことでも何でもありません。この程度の語学力がなければ、授業のテキストの内容を理解することができません。

但し、語学力なしで誰でも入学できるインター校の生徒は、対象外とします。

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質問6への回答

日本人学校からインター校編入の場合、英語の語学力が非常に劣っている生徒が目立ちます。個人の学力や学年にもよりますが、編入後の半年から1年間は、語学力の大幅な向上を図るため、英語のみの勉強に集中させることが大切です。

語学力の大幅な向上なしに、日本語で国語や算数(数学)も同時に無理やり詰め込みで勉強させようとすると、生徒本人の許容量を超えて、生徒本人が精神的に参ってしまうこともあります。

語学力というものは、英語でも日本語でも急激に上げることは不可能なので、毎日のこつこつとした勉強の積み重ねが必要になります。お子さんが学校の宿題が分からなくて困っている時には、お父さんやお母さんも、(たとえ英語が苦手でも)、手伝う必要もあると思います。

語学力の向上に伴って、多くの外国人の友達ができるようになります。英語のテキストが理解できるようなってくると、授業がおもしろくなり、興味を持って自ら机に向かうようになります。この流れをつくることがとても大事です。

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質問7への回答

インター校編入に必ず成功するかどうか分かりません。迷っているなら、止めたほうがよいです。バンコクのインター校に編入することを決めた後でなら、ご相談にのることができます。

また、インター校に編入を決めても、編入に失敗したことを考えて、初年度の授業料の振込みは、一学期分にしたほうがよいです。無駄になる授業料を支払う必要もありません。日本人学校に戻れることにも備えてください。

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質問8への回答

ぼくの生徒のお母さんの方々は、自分の子供たちの将来を真剣に考える人がほとんなので、塾よりも少し割高になるインター生専門の家庭教師を選んでくれます。(塾への送迎バス代を含むと、同じぐらいの金額です。)

しかしながら、まわりの知り合いのお母さんから、「バンコクでの滞在期間が1~2年残っているので、自分の子供をインター校に入れようかなと思っているのですが、どうなのですか。」と聞かれることが多いと言われます。

「インター校編入は、近所の英会話の学校に、気楽に通わせるようなことではないから、軽い気持ちや、中途半端で強い意志もないなら、止めたほうがよいです。」と答えられるそうです。わたしもこの意見に対しては、まったくその通りだと思います。

「自分の子供を1~2年インター校に通わせたのですが、まったく英語の語学力が身につきませんでした。だから、日本人学校に戻らせます。どうしたらよいですか。」と相談してくる保護者の方々もいます。

英会話やおけいこ塾に通わせていたと言われるのですが、わたしには、なぜ、こうなる前に、もっと真剣に英語を勉強させる家庭環境をつくってやらなかったのか、残念でなりません。

もっと、ひどいケースとしては、インター校に4~5年通わせたのに、まったく語学力がつかなかった場合です。その保護者の方に、これまでの経過をよく聞いてみると、まともな英文法の勉強や単語の暗記などをさせたこともなく、放置状態だったということです。

残念ながら、このような状態でミドルスクールまできてしまうと、英語も日本語もぼろぼろで、軽い言語障害が起きているのが分かります。学校で習うscience(理科)やsocial studies(社会)の授業内容などまったく理解できません。

こうなってしまうと、まともな高校や大学には行けないと思います。ぼくにも手の打ちようがありません。ふつうの日本人の子供には、ふつうの日本人学校で勉強させるべきです。無理をする必要も、カッコつける必要もないと思います。

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質問9への回答

2016年ごろから、「希望するインター校に入れません。どうしたらよいですか。」という質問が目立ちます。もっとも有名で人気のあるインター校が、NISTとPatanaです。定員の空き待ちが続いて、なかなか編入できない状態でしたが、Patanaの編入には若干容易になってきました。

この2校の名門校は、バンコクでは有名で、実績、知名度、所在地、学生の学力レベル、どれ一つとっても、他のインター校から抜き出ています。年少や小学校低学年の生徒でさえも、英語の環境に対する適応力を求められます。

また、急激に人気が高まってきたBerkeleyの編入にも、高い語学力が求められており、これらのネイティブベースのインター校への編入を希望する場合、小4の学年で英検の2級、小6の学年で準1級の語学力を持たない生徒には、おすすめしていません。

ネイティブベースのインター校に共通することは、欧米人の比率が高いことです。校内のいたるところで、流暢な英語を話す教師や生徒に囲まれて、勉強に専念できる環境は、本来のインター校のあるべき姿だと思います。

日本人学校で優秀な成績を収める生徒には、彼らが英単語と英文法の学習を一定期間続け、編入準備をしっかりしてから、St. Andrews Bangkok、PREPなどの、スクンビット内の進学校のインター校への編入をすすめています。

各インター校の生徒の転出転入状況を確認しながら、編入を希望するインター校のadmission officeに頻繁に連絡を取ってください。生徒本人と保護者の誠意や真剣さを、編入担当者に伝えることも重要だと思います。

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質問10(インター校訪問の際に同行を希望される依頼ついて)への回答

インター校編入同行サービス

ぼくは以前、無料のボランティアサービスとして、インター校訪問を希望するご家庭に同行していました。すると、編入の意志もない興味本位の見学で、タクシー代わりに使われたり、旅行気分で遅れてくる人が出始めました。中には、約束の待ち合わせに、まったく顔を出さない人までいました。

正直なところ、これはやってられないな、と思うようになりました。もちろん、このような人たちは、あくまで少数だったのですが、目立ってきた時点で、やりたくないという気持ちが強くなってしまいました。そこで、一時は、このサービスを自分の生徒のみに限定していました。

ぼくたち家庭教師の仕事は、夜遅くまで生徒たちを教えるので、帰宅するのが遅くなりますし、次の朝に起きるのも遅くなります。また、朝夕の渋滞に巻き込まれるのもうんざりするので、早朝と夕方の渋滞時に、インター校に同行してほしいという依頼は、お断りしています。

インター校編入の同行は、1日に2件まで

そこで、現在、インター校訪問の同行のサービスについては、スクンビット内、もしくは、その近郊として、午前11時ごろと午後1時ごろに訪問、1日に2件までとして、若干の手数料をいただくことにしています。

基本的には、訪問先のインター校の駐車場で待ち合わせとなります。同日、2件目の次の訪問先へは、ぼくの車に乗っていただいて、向かうこともできます。

郊外のインター校については、要相談とします。ぼくたち、インター生相手の家庭教師は、それから仕事先になる、生徒たちのご家庭に向かうことになります。

各インター校の事務局の編入担当者は、ほぼ毎日、インター校を訪問する保護者に同行し、校内を案内しています。一日数回に及ぶこともありますので、彼らの苦労を労う気持ちは大切です。

2023年9月現在、インター校訪問の際に、事前に生徒を含む保護者家族の個人情報を各インター校の事務局に送ることを求められます。日本人にとってはわずらわしいことなのですが、欧米人にはこの手続きが当然のことと受け取られています。

ご注意
インター生専門の家庭教師に同行を希望する場合、インター校訪問の数日前には、必ず、お互いの確認のために、もう一度、メールや電話を入れることを忘れないでください。

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質問11(大まかなインター校のレベルについて)への回答

バンコクのインター校は、大きく分けて、3つのレベルに分けられます。

上位校 - ネイティブベースのインター校
中堅校 - 日本人学校でよい成績を収める学生が編入できるインター校
下位校 - 日本人学校の平均的な学生が編入できるインター校

上位校

ネイティブベースのインター校として、NIST、Patana、Berkeleyがあります。かなりの語学力が求められ、編入テストに合格することが難しいので、日本人学校から編入には、すすめていません。

イギリスやアメリカで現地校へ通学した経験、または、バンコクの他のインター校で優秀な成績を収めた人でなければ、これらの学校への編入は、ほぼ不可能でしたが、近年Patanaには若干入りやすくなっています。

年齢が低ければ低いほど入りやすいので、低学年での編入を勧めています。ミドルスクール(小6-中2)への編入には、英検の準1級以上の語学力が必須です。

中堅校

次に、日本人学校で、英語、または国語を中心として、よい成績を収めた人にすすめるインター校が、このレベルです。

セカンダリースクール(ミドルスクール、ハイスクール)では、数学や理科が得意な人が、評価の対象になってきます。

スクンビット内の、BTSで通える、通学に便利なところに所在地を構える学校が増えてきました。

下位校

基本的に、学力を問わず、誰でも入れるインター校なので、学生全体の学力レベルも低く、ESLでは、ほぼ全員、日本人、韓国人、タイ人の状態です。

英語の語学力を伸ばすには、よい環境とは言えません。正直なところ、あまり、おすすめしたい学校ではありませんが、他に行き場所がない学生には、選択の余地はありません。

バンコクの日本人学校で中学を卒業した、または、日本から中学卒業後にやってきた、平均的な学生でも受け入れてくれます。ESLの授業で少しずつ英語に慣れながら、英語のみの勉強に集中することも可能です。

しかしながら、まわりのだらけた雰囲気に飲み込まれてしまうと、卒業までの時間をむだに浪費することになります。本人の勉強に対する強い意志が重要になってきます。このような学生を対象にした学習塾もバンコクにはあります。

大学入試において、英語のみの受験で、(あくまで文系の学部が対象ですが、)有名大学に合格することを目標にする学生も多くいます。せめて語学力だけでも身につけて、将来の就職に役立ててほしいと思います。

ぼく自身も、中堅レベルのインター校に転校を目指す、やる気のある学生であれば、このレベルのインター校に通う学生でも、家庭教師の授業を引き受けています。

レベルの格差

上位、中位、下位のインター校の、日本人の学生の学力レベル差は、おそろしいほどに顕著です。例えば、英検の2級を取得する平均的な学年は、上位校では小学4年生の学年、中堅校では小学6年生、下位校では高校1~2年生です。

もちろん、中堅校において、プライマリースクールの1年生からの在校生であれば、上位校の生徒と同じように、低学年で英検の2級を取得する生徒も多くいます。インター校は個人差が激しいのも特徴です。

インター校の編入においては、ぼくである必要もないと思いますが、インター校に編入する前に、英米に数年間の長期留学の経験があり、英語を操れる、インター校に詳しい専門家の意見を聞かれたほうがよいと思います。

インター校の選び方とご紹介

インター校の選び方については、本人の年齢、学力、用意できる学費の金額、これらの条件を提示してもらえれば、すぐに対象となるインター校を、2~3校ほど紹介できると思います。

ぼくは、インター校に学生を紹介して、仲介料をもらうようなことはしていないので、中立的な立場で、公平にバンコクのインター校を評価することができます。

ぼくが、インター校を評価する条件として、所在地、日本人生徒の割合、ESLの授業の質、などを考慮して、芸術やスポーツなども含め、学生個人の個性が生かせるようなインター校をすすめるようにしています。

新しい情報を収集するために、バンコク各地に散らばるインター校を、毎月訪問していると、インター校の職員や先生方の知り合いが、多くなります。

彼らの協力なしで、これだけの膨大な情報を蓄積することができません。彼らの好意には、いつも感謝するばかりです。

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